ウイルスと遺伝子の話

2022年も1か月半が過ぎました。ここへきてコロナウイルスの感染スピードが上がっており、高山市内の小中学校でも学級閉鎖や学校閉鎖が相次いでいるようです。「オミクロン株」と言うらしいですが、ウイルスというものは身体が小さい分、突然変異をして性質が変わるのが早いです。生物は自分の遺伝子をコピーするときに度々ミスをして、その積み重ねが生物の進化の原因になっています。それは意図を持って適応していくのではなく、さまざまな変異の中でたまたまその環境に適応したものが残っているだけです。これを自然淘汰と言います。しかし生き残ったものを見る限りは、厳しい環境を生き延びるために変異をしているように見える。

ここで遺伝子の側に立つと、見える世界が変わります。ウイルスは自分が生き延びるためにさまざまな変異を経て存続し続けようとします。宿主にあまりにダメージを与えて絶命させてしまっては、元も子もありません。なんとか共存したものだけが生きながらえます。アリやハチは典型的な社会性動物ですが、働きアリ・働きバチ(全部メス)は、一生をかけて妹たちの世話をします。自分が卵を産んで子孫を残すことはしません。特殊な遺伝の仕方をするので、その方が自分(たち)の遺伝子を多く残せるのです。

人間も例外ではありません。人間の心とは何か。思考とは何か。食欲も性欲も、結局は本能のままに突き動かされているだけです。遺伝子は自分のコピーを増やしたいという欲求のために我々を操っており、人間の身体さえも乗り物(ヴィークル)に過ぎない。これが、生物学者のダーウィンが主張した「利己的な遺伝子」という考え方です。

こんな話もあります。人間はコメや小麦といった農作物をたくさん育てて収穫し、生きるためにそれらを食べています。しかし逆の視点に立つと、コメや小麦はいくばくかの種子を報酬として与えることによって、人間に手厚く世話をさせているというのです。農業が始まって以降、穀類たちは爆発的に生息地を広げることができました。これはどちらが主人でどちらが従者か分かりませんね。立場を入れ替えてみるというのは、面白い視点を与えてくれます。

風邪という症状が無くならないように、ウイルスを撲滅することは無いと思ったほうがよいです。何とか共存していくしかありません。我々にできることは、体調管理に気を付けて、免疫力を維持して生活していくことです。そのためには、当たり前ですが睡眠を良くとり、栄養バランスを考えた食事をし、継続的な運動をすることです。それに加えて、日々の生活の中で楽しいことを見つけ、生き生きと過ごすことが大切なのだと思います。ある天才的な人が医者になって、そこで気づいた結論が「病は気から」だったという話もあります。メンタルの状態がそのまま体の調子に直結するというのはよくあります。明るく元気に行きましょう。

やっていきましょう。

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