2022年度:前期中間テストお疲れさまでした

2022年度の最初の定期テストが終わりました。
中1の皆さん、初めての定期テストはいかがでしたか。よく準備して苦手科目に注力した人、得意科目を盤石にできた人、その両方ができた人。これからの学習の課題が見えてきた人もいると思います。稲垣教育研究所では、テストを持参してもらって、間違えた問題をひとつずつ確認しています。取れなかった問題をその場で解決していくことが大切です。
中2、中3生は、少しずつ気迫と言うものを感じられるようになった気がします。過去最高点を達成できた人が多かったのではないでしょうか。特に中3生は受験する高校をどこにするかということも具体的にイメージし始めます。目標は高く持っていきましょう。

■中学3年生向け

夏休みに入れば、実戦形式の模試、入試の過去問にチャレンジし始めるのも良いですね。稲垣教育研究所では豊富に実践問題を準備しています(笑)。中3生には数学の『大問1の完成』というテキストを渡しています。自分の実力がどれくらいついているか確認しながら解き進めていきましょう。

岐阜県では「岐阜新聞テスト」という実力テストが4回行われますね。今年は8月21日(日)、10月2日(日)、11月6日(日)、1月8日(日)の4回です。入試に向けての実戦練習になるだけでなく、自分の実力チェック、また模試自体が貴重な勉強の機会になりますから、ぜひ受けましょう。

■中学1,2年生・小学生向け

5教科をまんべんなく仕上げていくというのが理想ではありますが、限られた時間の中で、アレもコレも取り組むということが現実的でない場合もあります。たくさん時間をかけて、ほとんど成果が出ないということであれば、他の科目をやっていれば良かったということになります。

それなら目先のテストの点数にこだわるのではなく、もっと長い目で見て人生に役立つものの考え方を身につけるとか、評論文を読むとか、色んな言葉を覚えると言ったことの方が有効な場合もあります。オススメは高校生向けの現代文テキストです。内容のレベルによっては、中学生でも小学生でも理解できるものは多いです。その時に、きちんと文脈や背景知識や言葉の意味・読み方をていねいに押さえていくことが大切です。これは自分ひとりで読み進めるより、大人に読んでもらってその都度解説を受けるのがよいでしょう。お任せください。一緒に音読しながら読み進めます。同義語、対義語、品詞の説明、ことわざや四字熟語などの語彙力アップを重視しています。結局長い人生で役に立つのは、言葉の感度を上げていくことです。

7月に入りました。6月中に梅雨が明けてしまって、梅雨の期間が史上最短だったそうです。暑い日が続きますが、今年は塾にエアコンを導入しましたので(笑)、特に夏休みには冷たいお茶でも飲みながら勉強をしに来てください。基本の授業時間のほかにも、手が空いている場合は自習であっても一緒に指導することができます。

中学生におけるテストの向き合い方

2022年度、最初の定期テストが終わりました。続々と結果が返ってきているころですが、定期テストというものに対してどのように向き合うべきかという心構えについてお伝えします。


これは作家・思想家の坂口恭平さんのお話ですが、定期テストにおいて重要なのは「段取り」なのだそうです。スケジュールを頭に入れておくということです。
学校生活の中では、自分で段取りを決めるということがありません。勉強する内容からペース配分、時間割り、テストの範囲、学校の行事まですべて先生が決めてしまうからです。
しかし学校を卒業して社会に出ると「段取り」こそが重要で、むしろ段取りしか求められないと言います。そのことを学校ではほとんど教わりません。

「ネタバレ」という言葉がありますが、それはエンタメだけです。勉強はエンタメではありません。ゲームやマンガには負けてしまいます。むしろいち早く全体像(結末)を把握した方が良い。先人がまとめた知の体系をおさらいしているわけですから。これが段取りであり、大人になるということです。
小学校の授業だと、結論を先延ばしにして、自分で考えさせて、授業の最後で「今日のまとめ」として提示するということをよくやっています。アレはそんなに効果がないと思っています。むしろ結論部分を最初に教えてもらって演習をした方が良い。無理に授業をエンタメ化しようとしているのだと思います。これだと、知っている人は待ちくたびれることになるし、分からない人には最後まで分かりません。これが一斉教育・劇場型授業の弊害です。

学校のテストは、本来の学問(研究)からは程遠いものです。むしろ大学に入って何かの分野を研究する上での準備段階だと思った方が良い。分からない知識・考え方があったらその参考書に当たればいいのかを調べたり、どんな手順を踏めば点数が向上するかといったような、まさに「段取り」を身につけることが一番の目的だと割り切った方が良い。

そのために、テスト期間が始まったら何をするべきか。人が不安になるのは「分からない」というときです。いつまで続くのか、どれだけ必要なのか分からない。お金や食料についてもそうです。
それを払拭(ふっしょく)するために、まずはやるべき作業の全体量を把握します。テストの範囲を(教科書やワークなどで)把握し、テスト前期間(10~14日)の日数で割り、一日ずつ学習内容を定着させていく。これだけ。

きちんとスケジュールを消化していくと「これで全部だな」「これ以上やるとこ無いな」という瞬間に行きつきます。これを実感してください。もちろん得手不得手やムラがあるのは当然ですから、得意な科目を優先的にやって気分を高めていく、などの調整もありです。


ワークを開いて、ページを眺めて、「このページの要点は何か」ということを把握して、覚えて、できれば類題を解きます。それで問題なく解ければOK。それをテスト範囲の全ページに出来れば、もう怖いものはありません。テストでよい点を取るというのは、「自分で自分を救う」ということです。その技術が将来に渡ってあなたを救い続けます。それが出来たら、今度は他人を救うことができます。これが生きることの目標です。そのおまけとして、幅広いジャンルの知識が身に付いたら言うことないじゃないですか。


もう定期テストは怖くありません。日々の学校の授業での意識していきましょう!
(坂口恭平「中学生のためのテスト段取り講座」。無料で読めます。)

稲垣教育研究所での学習方法

2022年度が始まりました。皆さんいかがお過ごしでしょうか。稲垣教育研究所は2年目に入ります。去年までの経験を生かして、さらにパワーアップしていきたいと考えているので、今通ってくれている塾生の皆さま、保護者の皆さまもご協力をお願いします。

稲垣教育研究所でどんな勉強をしているか、テキストを使っているかなどについてお話しします。学力状況や目指すゴールが人それぞれなので、一律のテキストを使うことはしません。しかし基本となるものはあります。

小学生であれば「くもん」or「学研」から発行されている当該学年の総復習テキストを使っています(学期の前半であれば前学年のもの)。中学2~3年生においては数学の「大問1の完成」というテキストをお渡ししています。これは中学3年間で習う計算問題の基本と、図形・関数・確率・統計といった一行問題がたくさんテスト形式で出題されるテキストです。公立高校入試の大問1が想定されていて、これを仕上げるだけで本番のテストで40点くらいは確保できるというものです。これを基本として応用問題や実践演習に入っていきます。そして中学3年生は夏以降は特に過去問演習をひたすらやっていきます。模試や実戦形式の問題集を各種取り揃えています。

それ以外に、(特に英語などですが)全般的に苦手という場合には、適宜教室長が選んだテキストをお渡しします。これも超基本レベルからハイレベルなものまで、状況にあったものをお渡ししています。そして以上のテキスト代を別途徴収することはしていません(現在のところ汗)。自作の計算プリント、連立方程式スペシャルプリント、英単語スペシャルプリント、国語の対義語プリント、部首ごとの漢字プリントなど各種取り揃えています。

中学生では各教科・各学年について「必修テキスト」というシリーズがあります。これも状況に応じて使っていきます。

中学生では定期テストと実力テストの結果を持ってきてください。点数をメモして、分野ごとの苦手なところを把握します。特に実力テストは重要です。広い範囲から出題されて、高校入試につながるものだからです。勉強は「テスト範囲じゃないからもうやらなくていい」というものではありません。むしろ、しばらくテストで問われないからこそ危機感を持たなければいけないものです。結局中学3年の受験期になって総ざらいすることになります。であるならば、その都度定着させておくに越したことはありません。

小学生では、授業の最初に学年で習った漢字の熟語を使った文の音読、新聞記事の朗読・解説、パズルやクイズをやることもあります。いろいろなことに興味を持って、社会や時事問題のことも勉強していきましょう。

稲垣教育研究所では一緒に勉強をする仲間を募集しています。集団授業ではなかなか自分に合った内容が出来なかったり、質問がしにくいという方にもおすすめです。お茶やコーヒーを飲みながら勉強しましょう。テスト期間中など(普段の授業の前後でも)、自由に自習スペースを使うこともできます。特に高校生では、テスト期間に午後から勉強しに来て、翌日のテスト対策をするというパターンもあります。

少しでもご興味を持った方は、公式ラインから気軽に問い合わせてください!個別にチャットができます。連絡お待ちしています。

岐阜県の公立高校入試が終わりました

3月の初めに中3生の公立高校入試が終わりました。稲垣教育研究所に通ってくれている3年生は、とても一生懸命頑張っていました。特に過去問演習を何回やったか分かりません(笑)。これだけやれば落ちようがない、ってところまでやっていたと思います。この集中力とやる気を、今後の人生のいざという時には発揮していってください。勉強は終わりじゃないですよ。むしろこれからがもっと面白くなるところです。

さて、僕は長らく飛騨を離れていたので近年のことはそれほど詳しくなかったのですが、飛騨地域の高校受験情勢もだいぶ変わってきたのでしょうか。具体的に言うと入試の出願倍率です。飛騨地域にある公立高校で、定員を超えている学校・課程がほとんどない。

飛騨地域の雄とされている斐太高校でも、前年の最終倍率が1.05倍、今年は最終のもので0.96倍。定員を割っています。これはよほどの内申の低さ、当日の不調などがない限り落ちることは無いということではないでしょうか。
もちろん高い理想を言えば「そんな倍率で生徒の質は維持できるのか」という見方も出来ますが、飛騨地域という狭い世界でそれを言ってもしょうがないという気もします。であるならば「入りたい」という意思さえあれば入学できるというのは好ましいことであるとも思います。

あまり高校受験というものを不安を掻き立てる恐ろしいものと考えずに、勉強するキッカケを与えてくれるものだと捉えましょう。ゲームみたいに取り組むのも面白いですね。大人になってから、検定試験や資格試験に楽しんで取り組む人もたくさんいますよ。

問題を解いていて、いつも(2回以上)解き方がよく分からないものがあれば、それは考え方と注目ポイントが分かっていないということです。そこを解決していきましょう。納得できるまで追求してください。先生や友達に効くのが有効です。もちろん暗記が必要な項目もあります(BTB溶液の色とか、歴史的事実の名称とか)。そのように一つずつ未理解だったものを補っていくと、実力テストや模試で点数が上がっていって楽しくなります。

公立高校入試の結果が出ましたら、また報告したいと思います。よい報告ができることを期待しています。

さて、3月の金曜日(11日、18日、25日)16~19時の間で、無料体験講習を実施しています。好きな時間帯から、無料で体験授業ができます。少しでも興味がある方は気軽にお問い合わせください。公式LINEから友達になっていただくと、簡単にチャットができます。前日・当日の飛び入りでも大丈夫です。

ウイルスと遺伝子の話

2022年も1か月半が過ぎました。ここへきてコロナウイルスの感染スピードが上がっており、高山市内の小中学校でも学級閉鎖や学校閉鎖が相次いでいるようです。「オミクロン株」と言うらしいですが、ウイルスというものは身体が小さい分、突然変異をして性質が変わるのが早いです。生物は自分の遺伝子をコピーするときに度々ミスをして、その積み重ねが生物の進化の原因になっています。それは意図を持って適応していくのではなく、さまざまな変異の中でたまたまその環境に適応したものが残っているだけです。これを自然淘汰と言います。しかし生き残ったものを見る限りは、厳しい環境を生き延びるために変異をしているように見える。

ここで遺伝子の側に立つと、見える世界が変わります。ウイルスは自分が生き延びるためにさまざまな変異を経て存続し続けようとします。宿主にあまりにダメージを与えて絶命させてしまっては、元も子もありません。なんとか共存したものだけが生きながらえます。アリやハチは典型的な社会性動物ですが、働きアリ・働きバチ(全部メス)は、一生をかけて妹たちの世話をします。自分が卵を産んで子孫を残すことはしません。特殊な遺伝の仕方をするので、その方が自分(たち)の遺伝子を多く残せるのです。

人間も例外ではありません。人間の心とは何か。思考とは何か。食欲も性欲も、結局は本能のままに突き動かされているだけです。遺伝子は自分のコピーを増やしたいという欲求のために我々を操っており、人間の身体さえも乗り物(ヴィークル)に過ぎない。これが、生物学者のダーウィンが主張した「利己的な遺伝子」という考え方です。

こんな話もあります。人間はコメや小麦といった農作物をたくさん育てて収穫し、生きるためにそれらを食べています。しかし逆の視点に立つと、コメや小麦はいくばくかの種子を報酬として与えることによって、人間に手厚く世話をさせているというのです。農業が始まって以降、穀類たちは爆発的に生息地を広げることができました。これはどちらが主人でどちらが従者か分かりませんね。立場を入れ替えてみるというのは、面白い視点を与えてくれます。

風邪という症状が無くならないように、ウイルスを撲滅することは無いと思ったほうがよいです。何とか共存していくしかありません。我々にできることは、体調管理に気を付けて、免疫力を維持して生活していくことです。そのためには、当たり前ですが睡眠を良くとり、栄養バランスを考えた食事をし、継続的な運動をすることです。それに加えて、日々の生活の中で楽しいことを見つけ、生き生きと過ごすことが大切なのだと思います。ある天才的な人が医者になって、そこで気づいた結論が「病は気から」だったという話もあります。メンタルの状態がそのまま体の調子に直結するというのはよくあります。明るく元気に行きましょう。

やっていきましょう。

高校公立入試まであと3週間!

高校公立入試まであと3週間を切りました。今月が勝負です!
稲垣教育研究所にとっても初めて迎える受験シーズンなので、すこし緊張しています(笑)

中学3年生に朗報。
以下の日程で塾を開放します。
(ここでいう開放とは、一緒に勉強を見ることができるという意味です)
(他の学年でももちろん歓迎!)
(新規入塾者、見学、体験授業も歓迎!)
(平日は基本的に16時~20時くらいまでは開放されています)

2月11日(金祝)13:00~19:00
2月19日(土)15:00~19:00
2月23日(水祝)13:00~19:00
2月26日(土)15:00~19:00

家に居てなかなか勉強が進まないという不安がある場合は、ぜひ塾に集まって一緒に勉強しましょう。
各教科の模試、過去問を取り揃えています。スペシャルプリントもあります。
最後の追い込みで、苦手な単元をなくしちゃいましょう。

人生を楽しむコツ

2022年、あけましておめでとうございます。

年末年始から冬休み明け、大雪に見舞われていますが、いかがお過ごしですか。
雪の中通ってくれている塾生の方々、保護者の皆さま、ありがとうございます。

中3生は受験が迫ってきていて不安な2か月間を過ごすかもしれません。あるいは達観してそこまでではないでしょうか。受験生でなくても、日々の学習で何となく不安や焦りの中で生きているのかもしれません。こんな時期だからこそ、ふと思いついちゃったので「人生を楽しむコツ」などについて書いてみたいと思います。

この漠然とした不安はいつまで続くのでしょうか。少なくとも「学校にまつわること」「勉強についていけなくなったらマズい」みたいな悩み事は、十数年のうちに別の種類のものに変わります。それはたとえば、どんな仕事に就こうかとか、どうやってお金を稼ぐかとか、どうやって生きようかみたいなことです。

僕はこれまでの人生で「もっとこうすることができたのでは」みたいな後悔ばかりがありますが、とはいえわりとやりたいことを好きなようにやってきて、あまりストレスのない人生を送ってきたところがあります。人から褒められるような成果は何一つ上げていませんが、楽しく生きていることそのものが答えじゃないかとも思います。

イヤな話ですが、世の中には何かの拍子で人間関係のトラブルに巻き込まれたり、詐欺みたいなものに引っかかって善良な市民が金を奪われたり、甘いワナにかかって自分が知らないうちに犯罪行為を犯してしまったり、人生の選択を誤ったり(就職・結婚・買い物、などなど)、ブラック企業に勤めてしまい逃げられなくなって、酷い場合には自ら命を落としてしまう人もいます。生きていく上でのワナは山ほどあります。まずはそういった不幸への転落を事前に防ぐだけのアンテナを磨く必要があります。

次にやるべきことは「これをやっていればとりあえず自分は幸せだ」と言えるようなものを見つけることです。このことを一般的に「好きなことを見つける」と言います。いゃ何も「藤井聡太くんにとっての将棋」「HIKAKINにとってのYouTube」「神田伯山にとっての講談」のような一生を打ち込めるものを見つけないといけない、というわけではありません。そんな超エリートはこの世界に数えるほどしかいません。芸能人やプロ野球選手のようなものと一緒です。

趣味のレベルで良いんです。僕も人生を振り返ってみると、中高生のころは「お笑い番組を見ること」が好きでした。毎週NHKでやっている「爆笑オンエアバトル」という数少ないネタ番組をVHSで録画して繰り返し見ていました。それが原因で「お笑い芸人になろう」と言い出して東京に行って、人生の回り道をするわけになるのですが、それも楽しければ別に良いのです。過去の経験を生かすのは、未来の(今の)自分です。

その他にもアイドルグループの追っかけをしてみたり、好きなことについて文章をたくさん書いて自分で冊子を作ってコミケで頒布したり、好きな作家・評論家の本を読むことにもハマりました。長らく教養系のテレビ番組、映画、アニメを見ることが好きで、それをやっているときは幸せです。マンガで言えば『進撃の巨人』という作品を読んで本当に胸が熱くなりました。最高の作品で、全世界の人に読んでほしいと思っています。ちなみに数学や理科の問題を中学生に教えることも好きです。たまに分からない問題もありますが(泣)、そのたびにあたらしい知識(あたらしい考え方)を知って嬉しい気持ちになります。さまざまなジャンルの勉強をすることも楽しい趣味の一つです。

皆さんも一度、自分は何をしているときが楽しい気持ちになるか考えてみてください。これは意識していないと見逃してしまいがちです。「カレーが美味い」とか「料理が楽しい」とかそんなのでも良いんです。楽しいことがあったら、それを継続させることを考えます。より深く調べたり試したりすると、楽しさが継続する傾向にあります。たとえばカレーはスパイスの組み合わせでいくらでも味が変化します。それをいろいろ実験して、自分でお店を出しちゃう人もいるくらいですから。他にもテレビ、音楽、ゲーム、YouTube、いろいろあるでしょう。自分で作ったり発信してみれば、それは完全に自分の趣味になります。ちなみによく言われるのは、自分で何かを作ることが最も長続きするし、お金のかからない趣味だということです。

瞬間的に見れば、辛いことはいくらでもやって来るのが人生ですが、後になってふと振り返った時にトータルで楽しいことの方が上回っていれば、それで素晴らしい人生と言えるのではないでしょうか。いま自分は何をやっているのか。何のためにやっているのか。何がやりたいのか。自分自身を見つめてみましょう。

2022年も稲垣教育研究所をよろしくお願いします。
(新規入塾希望者、絶賛募集中!!今がチャンス!)

内田樹先生「学ぶ力」について

僕が敬愛する教育者に内田樹(たつる)さんという方がいます。元々は大学教授ですが、いまは神戸市の方で道場の館長をしています。これまで何十冊も著書があって、ブログ(内田樹の研究室)にも大量に文章を書かれていますが、その中に、中学2年生の教科書用に書き下ろした「学ぶ力」というテキストがあります。今回はその文章の中からメインとなる部分をピックアップして紹介したいと思います。

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日本の子どもたちの学力が低下していると言われることがあります。ところで「学力が低下した」とはどういうことなのでしょうか。そもそも、低下したとされている「学力」とは、何を指しているのでしょうか。

「学力とは、試験の点数のこと」だと答える人がたぶんほとんどだと思います。しかし、ウチダ先生は「学力」は「試験の点数」ではないと言います。訓読みをしたら「学ぶ力」。これは「学ぶことができる力」、「学べる力」としてとらえるべきであり、数値として示して他人と比較したり、順位をつけたりするものではなく、個人的なものです。 「学ぶ力」は他人と比べるものではなく、個人的なものである。「学ぶ」ということに対して、どれくらい集中し、夢中になれるか、その強度や深度を評するためにこそ「学力」という言葉を用いるべきではないでしょうか。

その上で「学ぶ力」とはどういう条件で「伸びる」ものなのか。学力が伸びるためには大事なポイントが3つあります。

 第一の条件は、自分には「まだまだ学ばなければならないことがたくさんある」という「学び足りなさ」の自覚があること。無知の自覚といってもよい。これが第一です。
「私はもう知るべきことはみな知っているので、これ以上学ぶことはない」と思っている人には「学ぶ力」がありません。ものごとに興味や関心を示さず、人の話に耳を傾けないような人は、どんなに社会的な地位が高くても、有名な人であっても「学力のない人」です。

 第二の条件は、教えてくれる「師(先生)」を自ら見つけようとすること。
学ぶべきことがあるのはわかっているのだけれど、だれに教わったらいいのかわからない、という人は残念ながら「学力がない」人です。いくら意欲があっても、これができないと学びは始まりません。
ここでいう「師」とは、別に学校の先生である必要はありません。書物を読んで、「あ、この人を師匠と呼ぼう」と思って、会ったことのない人を「師」に見立てることも可能です。親でも友達でも、街行く人でももちろん構いません。生きて暮らしていれば、至る所に師あり、ということになります。ただし、そのためには日頃からいつもアンテナの感度を上げて、「師を求めるセンサー」を機能させていることが必要です。

 第三の条件は、「教えてくれる人を『その気』にさせること」です。
 こちらには学ぶ気がある。師には「教えるべき何か」があるとします。条件が二つ揃いました。しかし、それだけでは学びは起動しません。もう一つ、師が「教える気」になる必要があります。
 師を教える気にさせるのは、「お願いします」という弟子のまっすぐな気持ち、師を見上げる真剣なまなざしだけです。そのためには、どんなこともどんどん吸収するような、学ぶ側の「無垢さ」、師の教えることはなんでも吸収しますという「開放性」が必要です。

 「学ぶ(ことができる)力」に必要なのは、この三つ。まとめると、
 第一に、「自分は学ばなければならない」という己の無知についての痛切な自覚があること。
 第二に、「あ、この人が私の師だ」と直感できること。
 第三に、その「師」を教える気にさせるひろびろとした開放性。

 この三つの条件をひとことで言い表すと、「わたしは学びたいのです。先生、どうか教えてください」というセンテンスになります。数値で表せる成績や点数などの問題ではなく、たったこれだけの言葉。これがウチダ先生の考える「学力」です。このセンテンスを素直に、はっきりと口に出せる人は、もうその段階で「学力のある人」です。

 逆に、どれほど知識があろうと、技術があろうと、このひとことを口にできない人は「学力がない人」です。それは英語ができないとか、数式を知らないとか、そういうことではありません。「学びたいのです。先生、教えてください。」という簡単な言葉を口にしようとしない。その言葉を口にすると、とても「損をした」ような気分になるので、できることなら、一生そんな台詞は言わずに済ませたい。だれかにものを頼むなんて「借り」ができるみたいで嫌だ。そういうふうに思う自分を「プライドが高い」とか「気骨がある」と思っている。それが「学力低下」という事態の本質だろうと思っています。

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いかがだったでしょうか。なかなか辛辣な部分もありますが、「学ぶ」ということについてとても本質を突いた内容になっているのではないでしょう。ご興味がある方は、オリジナルのテキストがこちらから読めます。また、稲垣教育研究所にもウチダ先生の著作がいくつか置いてありますので、ぜひ読んでみてくださいね。

後期中間テスト期間です

後期中間テストの時期です。テストが終わった学校も、ちょうど今がテスト期間まっ只中の学校もあります。学校によって時期がいろいろズレるものですね。テストに向けて不安のある単元を自分で選んで勉強しています。解き方が分からない・難しい問題に関しては、教室長が適宜指導します。とくに高校生の生徒は、テスト期間を利用して、早い時間から自習しに来てくれています。

テスト前や、模試の直後など、いざという時には積極的に自習をしに来てください。僕の手が空いているときは、実質的に授業をすることになります(笑)。つまり、自発的に勉強に取り組む生徒ほどトクをするというシステムになっています。

稲垣教育研究所の日常です。ちなみに小学生には定期テストがないので、日々の宿題が終わっている場合は自由にPCを使うことができます。小学生がプログラミングのゲームをやっています(笑)。動画編集の「ゆっくり解説」にも挑戦しています。

こんな感じの雰囲気で学習しています。定期テストの対策、苦手科目の克服、また中3生にはこれから受験に向けてなど、個別指導経験豊富な教室長が指導します。とくにこれからは、公立高校入試の過去問を積極的に使っていくので、受験本番に漠然とした不安が無くしていきましょう。解けると楽しくなりますよ。集団の塾だとなかなか自分から質問が出来なかったり、適切な課題がよく分からないという児童生徒でも大丈夫です。色々なレベルの課題を提示して、つまずきがあれば前の学年の内容にまで戻って指導しますので、安心してください。

同じ目標を持って、楽しく勉強したい人はぜひ遊びに来てください。本を読んだりマンガを読んだり、PCを使っていろいろチャレンジすることもできます。

9月になりました

稲垣教育研究所での夏休み開放期間が終わりました。何人かの児童生徒が、夏休みの課題を持って自習をしに来てくれました。中にはPCゲームをしてたりマンガを読んでいる子もいましたが(笑)。遊びだろうが勉強だろうが、皆さんにとって気軽に来られる場所になれると嬉しいなと思います。

夏休み中に、1964年以来2回目の東京オリンピックが開催されました。一方で、コロナウイルス感染症は蔓延し、何度目かの緊急事態宣言が発令されました。そして夏休みが明けた今、県内の全ての公立学校では分散登校ということになったようです。二日に一回のペースで授業が進んでいくということで、総授業時間はどんどん削られていきます。これからどうなるのか、予断を許さない状況です。今後の展開次第では、しばらく登校を中止し、完全オンライン授業に以降なんていうことになるかもしれません。もしそうなった場合でも、稲垣教育研究所では皆さんの学習をサポートしていきます。ぜひ塾の授業のないときでも勉強しに来てくださいね。

■学力とは文章読解力のこと

中学生においては、夏休み明けすぐに実力テスト・中間(期末)テストなどが行われると思います。すぐに学習の成果が出るというわけにはいかないかもしれませんが、長い目で見て自分の実力を高めていくチャンスだと捉えましょう。特にテスト後の見直しが大切です。自分の中できちんと身に付いていなかったのはどこか。何を問われていて、何を答えるべきだったかを把握しましょう。テストとは出題者(テスト作成者)と、解答者(児童生徒のみんな)との対話です。たまに出題者がとんちんかんな質問をしてしまうということもありますが(出題ミス)、それは例外として、うまく答えられないのだとしたら、一体何が原因だったのでしょうか。

一つは、聞かれたことを思い出せなかった・覚えていなかったパターン。もう一つは「何を問われているのかが分かっていなかった」というパターンです。この二つは明確に切り離さなければなりません。前者の場合は知識を覚えたり解法パターンを覚えれば対策できます。しかし後者の場合は知識を覚える以前の問題です。

「そもそも何を問われているのか?」読解力というと真っ先に国語が思い浮かびますが、質問がただしく読み取れているかどうかが問われるのはむしろそれ以外の教科。数学の文章題でも、英文の日本語解釈でも、理科の実験結果でも、社会の説明問題でも一緒です。答え自体は知っていても、「それを聞かれているとは思わなかった」というのはよくある話です。まずはじっくり問題文を読み込もう。

問われたら応える。これがコミュニケーションの基本ですよね。
この積み重ねが高校受験、その先の大学受験、社会生活へとつながっていきます。
何のために勉強をするのかといえば、よりよく生きるためです。