2022年度、最初の定期テストが終わりました。続々と結果が返ってきているころですが、定期テストというものに対してどのように向き合うべきかという心構えについてお伝えします。
これは作家・思想家の坂口恭平さんのお話ですが、定期テストにおいて重要なのは「段取り」なのだそうです。スケジュールを頭に入れておくということです。
学校生活の中では、自分で段取りを決めるということがありません。勉強する内容からペース配分、時間割り、テストの範囲、学校の行事まですべて先生が決めてしまうからです。
しかし学校を卒業して社会に出ると「段取り」こそが重要で、むしろ段取りしか求められないと言います。そのことを学校ではほとんど教わりません。
「ネタバレ」という言葉がありますが、それはエンタメだけです。勉強はエンタメではありません。ゲームやマンガには負けてしまいます。むしろいち早く全体像(結末)を把握した方が良い。先人がまとめた知の体系をおさらいしているわけですから。これが段取りであり、大人になるということです。
小学校の授業だと、結論を先延ばしにして、自分で考えさせて、授業の最後で「今日のまとめ」として提示するということをよくやっています。アレはそんなに効果がないと思っています。むしろ結論部分を最初に教えてもらって演習をした方が良い。無理に授業をエンタメ化しようとしているのだと思います。これだと、知っている人は待ちくたびれることになるし、分からない人には最後まで分かりません。これが一斉教育・劇場型授業の弊害です。
学校のテストは、本来の学問(研究)からは程遠いものです。むしろ大学に入って何かの分野を研究する上での準備段階だと思った方が良い。分からない知識・考え方があったらその参考書に当たればいいのかを調べたり、どんな手順を踏めば点数が向上するかといったような、まさに「段取り」を身につけることが一番の目的だと割り切った方が良い。
そのために、テスト期間が始まったら何をするべきか。人が不安になるのは「分からない」というときです。いつまで続くのか、どれだけ必要なのか分からない。お金や食料についてもそうです。
それを払拭(ふっしょく)するために、まずはやるべき作業の全体量を把握します。テストの範囲を(教科書やワークなどで)把握し、テスト前期間(10~14日)の日数で割り、一日ずつ学習内容を定着させていく。これだけ。
きちんとスケジュールを消化していくと「これで全部だな」「これ以上やるとこ無いな」という瞬間に行きつきます。これを実感してください。もちろん得手不得手やムラがあるのは当然ですから、得意な科目を優先的にやって気分を高めていく、などの調整もありです。
ワークを開いて、ページを眺めて、「このページの要点は何か」ということを把握して、覚えて、できれば類題を解きます。それで問題なく解ければOK。それをテスト範囲の全ページに出来れば、もう怖いものはありません。テストでよい点を取るというのは、「自分で自分を救う」ということです。その技術が将来に渡ってあなたを救い続けます。それが出来たら、今度は他人を救うことができます。これが生きることの目標です。そのおまけとして、幅広いジャンルの知識が身に付いたら言うことないじゃないですか。
もう定期テストは怖くありません。日々の学校の授業での意識していきましょう!
(坂口恭平「中学生のためのテスト段取り講座」。無料で読めます。)